2022年1月17日 (月)

ムサビの卒業・修了制作展を3日も掛けて観て来た

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保護者でもなく、卒業生でもなく、関連業界で仕事してる訳でもなく、ピュアな部外者100%なのですが、ムサビの「卒業・修了制作展」に3日間も行ってまいりました。

去年、「卒業・修了制作優秀作品展」を観て、キラキラと輝くものがある一方で、カオスがあったりと見ごたえたっぷりだったので、優秀作品を選ぶ前の「卒業・終了制作展」とはいったいどんなエネルギーだったりカオスがあったりするんだろうと、ワクワクして観に行きました。

3時間あれば全部回れるだろうと正門をくぐったのですが、なんとキャンパス全域が展示会場。

木曜4時間、金曜5時間、日曜4時間。計13時間たっぷり堪能しました。

映像系とパフォーマンス系を除けばたぶん展示の95%は拝見したのではないかと思います。

これは、入場者の中でもかなり上位ではないだろうか。

ただ、もうヘロヘロのクタクタのボロボロになりましたので、来年からは多少工夫が必要です。

多少文句を言わせてもらいますと、受付で頂くガイドブックは学科ごとの章立てになっています。

卒制展なので、一番はわが子の集大成を見に来る親御さんや、お目当ての学科がある受験生ファーストだとは思うのですが、私の様な一通り全部回りたいという人間にやさしいガイドブックではありません。

2日目になってガイドマップの存在を知りまして、かなり楽になったのですが、それでも校舎までしか分かりません。

校舎に入ってもどの部屋で展示してるのが分からず、無駄な動きがかなり多い。

少しは痩せるやろ!

と言われればそれまでですし、まあウロウロするのも悪くないとは思うのですが、ヘトヘトになりました。足腰辛い。

例えばですね、アプリをスマホに入れたら、今いる校舎のどこに何があるかとかガイドしてくれるとか。

さらにその中でアンケートや投票ができるみたいなのを、デザイン情報学科とかで作れないだろうか?

これ作ったら、間違いなく、「優秀作品展」へGOだと思うのですが。。。


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さて、それはそれとして、この「卒業・修了制作展」は本当に凄いです。

ここにはですね、りとあらゆるものがありました。ありとあらゆるものがあるんです。

まず、分野的な幅の広さは一般人がイメージする『美大』とは全く違います。

絵画、彫刻といったいわゆる「芸術」はもちろんあるのですが、木工、金工、ガラス、陶芸などの素材職人系、カッコいい椅子なんかの家具職人系、デパートやテーマパークやらの展示っぽい空間演出系や、舞台美術、イラスト、フォント、新しいコンセプトの車や自転車などのプロダクトデザイン、建築、地域再開発やビジネスのアイデア、CG、映像、照明、書籍、論文、何かのデバイス、そして訳の分からない物など、展示はありとあらゆる領域に渡っています。

照明ひとつとっても、照明装置そのものの追求と、照明をいかに配置するかというのが別の領域になっています。

怒涛の様な種類と量に圧倒されました。

きっと、自分にとってヒントになる何かが潜んでいるに違いない。たぶん。

よく考えてるなあとか、なるほどそういうアイデアがあったかとか、そういうのがいっぱいあります。

この怒涛の量や種類は、「優秀作品展」では体験できません。


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もう一つは、玉石混交ということ。これも優秀作品展にはない多様性です。

画廊の人が名刺を置いたりする絵や、なにやら目を見張る物や、感心してメモ帳を取り出すようなものもある一方で、沢山の普通の物と、中学生の図工の様(と思ってしまう)な物まで、レベル感も多岐に渡っています。

ここに切なさがあります。

一般の大学ではないですから、みなさん志をもって入学されたと思うのですが、4年の間に自分の才能を見限ったり、あるいは快楽に溺れたり、安きに流れてしまった方も少なからずいるでしょう。

情熱を失ってしまったんだろうなと感じる様な作品もあるし、頑張って、悩んで模索したけど満足のいく成果にならなかったという悔しさみたいなものが伝わって来る作品があったり。

目を見張る様な物かどうかは別にしても、最後まで粘り強く丁寧に仕上げているものもあれば、雑に仕上げているものもあり、出来れば全員が渾身の力で、悔いのないアウトプットを出せればいいと思うけど、なかなかそうはいかない訳で、三十数年前の自分の半造作で、投げやりな、やっつけの卒論(美術とは関係ないけど)がフラッシュバックされ、切ない気持ちになったりしてしまいます。

でも、残念ながらうまく行かなかった人も、これから社会に出たら別の領域で新しい未来が、活躍の場があるんだよと伝えたい。

それに完成度はぜんぜん低いけど、なるほどというアイデアに出会ったりもします。

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それと、もう一つ。

ここには、プロフェッショナルとアマチュアの中間領域の何とも言えない世界があるのです。

今はまだ完成されていないけど明るい未来を感じさせてくれもするし、圧倒的でない、もしかしたら手が届きそうな世界。

それはなんとなく理解しやすかったりもします。

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それでは、目をみはったり、感動したものを幾つか上げておきます。

今回ダントツで感動したのは、この2枚の油絵でした。3日間で観た物の中で一番良かった。ずっと観ていられる。凄くいい。

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そして、いくつかの展示室がそうなのですが、いい感じで日差しが差し込んでいて、それはそれはいい感じのアトリエになっていて、紅茶を飲みながらのんびりクッキーを食べたくなるような空間になっていました。

そして次がこの小松石の彫刻(↓)。(半分しか写ってないけど)

作者は別ですが、榧(かや)の木の彫刻と小松石の彫刻の組み合わせもまた素晴らしくいい感じでした。

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そして、これです。

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あと写真はないですが、10号館でみた「piece of ・・・」と12号館でみた「春水」が良かった。

どれも夏の「優秀作品展」でもう一度観たい。


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来年に向けて

今回、1日目2日目は校舎別に攻めて行ったのですが、純粋に感動するような芸術系の展示を観るときと、空間演出やデザイン系、ビジネスアイデアを観るときでは脳内のスタンスが変わって来るので、多分知らず知らずのうちに混乱しました。

芸術系と、デザイン系で観る日を分けようというのが来年の自分への申し送りとなります。

という事で、3日間怒涛の様なインプットでしたが、なにかしら自分の脳にしみこんで、なにかしら反応したりするといいなと思うのでありました。

それと、素敵な大学で学生さんが凄く羨ましい。

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単一作者の美術展や、単一テーマのエキシビジョンに行くより遥かに面白かったです。

来年もまた行こう!

#ムサビ卒展

#武蔵野美術「大学卒業・修了制作展」

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2021年12月29日 (水)

『つくる・つながる・ポール・コックス展』なるものに行ってきました。

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いやいやこれはなかなか素晴らしかったー。

たっぷり1時間半以上楽しめました。

言語化能力が低くてお恥ずかしい限りですが、とても・凄く・かなり・素敵で・ヨカッタです。

なんか勉強にもなる感じ。

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それでお客さんも多かったです(駅から遠いのに)。
会期が1/10までと短いからでしょうか?

そしてお客の95%が若い女性。
10月に行った「たばこと塩の博物館」の杉浦非水展がおばあちゃんばっかりだったのとエラい違いです。

ポール・コックスは1959年生まれの現役で、杉浦非水は大正昭和の人とはいえ、非水の絵は全然今でも新しいと思うのですがどういう事だろう。

たぶん、今回はは平日とはいえすでに冬休み。一方、非水展に行った時は正真正銘の平日だったから?

それにしても、今まで行った美術展の中でも圧倒的に別格的に若い女性率が高いのです。


そして、丈の長いコートや丈の長いスカートの女性がやたら多い。

美大風なのか、デザイン関係の仕事風というか。

その辺りは分かりませんが、なんというか、明らかに特定の職業的セグメントの方たちの様な。。。

しかも圧倒的に山之内すずさんみたいな髪型の人が多いという特殊な空間。


答えは見つからないまま、夕方の美術館を後にしたのでありました。

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そして、美術館についても触れておく必要があるでしょう。

板橋区立美術館。

ここに来るのは2020年のボローニャ展以来2度目なのですが、なんとも素敵な美術館です。

(駅からは少しだけ遠いけど)


1/10までなので、ぜひ。

( ちなみに写真撮影当面OKでした )

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001473/4001477.html

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2021年12月22日 (水)

2021ボローニャ展を観に太田市美術館・図書館に行ってきた

太田市美術館・図書館に行って来ました。

お目当ては、「2021イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」

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去年、板橋区立美術館で初めて観まして、大いに感動したので今年も行こうと思っていたのに痛恨の見落とし。館のSNSアカウントをフォローしてなかったのか或いはしてたけど埋もれてしまったのか。

という事で、板橋⇒西宮⇒浜松⇒石川と巡回して太田市に辿り着いたところを捕まえました。


今回も、中々に素敵でした。

なんかこう、体内でじゅわじゅわって来ていい感じになります。


どれも良かったのですが、中でも特に良かった作品は以下の二つ。


・ホアン・アーウェン(台湾)の「起きてよ、パパ!」
・サラ・ダイヤー(イギリス)の「灯台」


どの作家の作品も5点ずつ展示されています。
同じ絵本の中から5点選ばれているのだと思います。(たぶん)

これがストーリーが伝わって来ていいんですよね。

私の選んだ2つは5枚の絵が描くストーリーが温かくて素敵でした。

またですね、世界各国の作品が展示されているのも素敵なのです。数えてみたら21か国。

 

それでも、正直なところを言いますと、昨年の方が良かった。
去年のカタログも売っていたので、もうちょっとで買いそうになりました。

 

などと、少しけなしてみたものの、やっぱり期待を裏切らない素晴らしさでありました。

コロナの関係で展示会場が一方通行だったというのもありますが、一度観た後、再入場するくらい良かったです。

 

 

さて、会場のことにも触れておく必要があります。

今回の観覧料は500円。安いです。

ちなみに、板橋の観覧料が650円、西宮は1200円、石川は800円。かなり値段が違いますね。展示内容に違いはあるのだろうか??

それで、値段は安いのですが、展示に関しては少し残念でした。

スペースの関係でしょうけど、割りと窮屈に展示してあったのと、なにより照明が暗かった。

まあ仕方がないのかもしれませんが、残念でありました。

 

それはそうと、展示の形態については少し残念だったのですが、ここの図書館は圧巻でした。

コロナで利用時間は展示含めて2時間以内にしてくださいってなっていたので、図書館部分は駆け足だったのですが、ここの図書館は半日楽しめるのではないかと思います。

オシャレで、洗練されていて、素敵で、イカしてました。

嬉しくなってシャカシャカ写真撮ってたんですが、途中で「写真撮影は受付で申請してください」という表示を発見。

もう時間も残り少なかったし、わざわざ申請するのも面倒だなと思ったので、館内写真はありません。


いやー住んでいる市の図書館がこんなだったらどんなにいいかなって思いました。
富士重工のおかげなのだろうか???

 

という事で、ボローニャ展 & 図書館、ぜひおすすめします。

 

↓:太田市美術館・図書館のページ
2021イタリア・ボローニャ国際絵本原画展

 

 

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2021年12月 7日 (火)

「助教・助手展2021」・「牧野良三 舞台美術における伝達と表現」・民俗資料室  @武蔵野美術大学

また、ムサビに行って来ました。

人生通算5回目のムサビです。

もしかしたら、自分の卒業した大学に次いで訪問回数第2位かもしれません。


それで、今回のお目当ては、「助教・助手展2021」

加えて、
「牧野良三 舞台美術における伝達と表現」
更に、
「民俗資料室ギャラリー展示 29 運ぶ 文化とかたち」

おまけに民俗資料室の収蔵庫も拝見させていただきました。


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鷹の台駅を降りると、いつものように玉川上水沿いの小径を歩きます。

イヤホンをして、スマホにはユーミンをセット。

どう考えても『悲しいほどお天気』の歌詞に出て来る「上水沿いの小径♪」はここしかあり得ないという小径を歩きます。

ユーミンは多摩美なのになんでだろうと毎回思う。


それで、過去の4回はコロナの影響で入館には事前予約が必要で、一般/学内で入館可能日の区別もあったのですが、コロナも落ち着いて今回は予約不要で一般/学内の区別もなし。

初めて平日のキャンパスに入ります。

やはり、大学ですから平日に行くとちょっと期待が高まります。

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「助教・助手展2021 武蔵野美術大学 助教・助手研究発表」

最初に入ったのはこれです。

なかなか良かった。

前回観た「卒業制作優秀作品展」と比べるとやはりレベルの平均値が違います。

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そして、なんというか、学生でもなく、かといって高みに上った人でもない独特の雰囲気がそこにはありました。


「美大の助教・助手というのはいったいどういう立ち位置の人なんだろう」という事にずっと思いを馳せながら作品を見ておりました。

 ・大学院を出て成績優秀な一握りの人が掴んだ将来を約束されたエリートなのか?
 ・あるいは、教授や准教授に辿り着くのは一握りで競争のさなかの人たちなのか?
 ・研究や教育には興味はないけど、作家では食べていけないから就職した天才なのか?
 ・美術芸術部門の学科であれば、そうそう食べていけないだろうから助手は同期のうらやむ職なのか?
 ・工芸デザイン部門なら、産業の中でアウトプットして行かずに大学に残るというのはどういう選択なのだろう?

などなど、ぐるぐる想像を巡らせておりました。

それで、前回の『卒業修了制作優秀作品展』とついつい比べてしまうのですが、『展覧会』としては『卒業修了制作優秀作品展』の方が良かったかなと思います。

なんというか、『卒業修了制作優秀作品展』は、この作品をアウトプットした人は、大学に残るのか? メーカーでデザインの仕事に就くのか? 或いはデザイン事務所に就職するのか? それとも高校の美術の先生になるのか?

『優秀作品』というフィルターに残った人であったとしても、恐らく自分の才能に見切りを付けて、あるいは就活で願いかなわず、全く関係のない業種職種の会社に就職して、趣味としてやって行く人もいるだろうな。


そういう、少し切ない思いとか、その一方でこの中に世界的に有名になる人がいるのだろうか的なワクワク感とか、そういうのがまざりあって、じゅわーっと見て回ったのですが、そういうのが「助教・助手展」にはあまりないわけです。

我ながら何に期待しているんだろう?

まあ、私自身が「美大の助教・助手」の立ち位置を想像しきれなかったからなのかも知れません。

実際のところどうなんでしょう?

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さて、最後に少しだけ、展示作品についても触れておきたいと思います。

作品はどれも素敵で印象的なものでした。

特に印象に残ったのは、

・波、泡沫、そして…  (↓の右のやつ)

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・断片的な記憶の景色

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・so fine

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中でも、「波、泡沫、そして…」は釘付けになりました。

 

『卒業修了制作優秀作品展』にしても今回の『助教・助手展』にしても、作家や作品のテーマ縛りの展覧会と違って、作家の属性縛りで、芸術から工芸やデザイン、空間演出、映像まで幅広く展示されるのっていいですね。

すっかりはまってしまいました。

↓:こんな感じで幅広い

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「牧野良三 舞台美術における伝達と表現」

同時開催だったのがこちらです。

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中々素敵で、普段高校演劇で観ているものとは別格です。

高校演劇を観に行って、素敵な舞台装置だった時に、単に「いいなー」と思っていただけだったので、ハイレベルかつ、完成までのプロセスが感じられて良かったです。


実は、高校演劇を観るときに、顧問の先生の関与度の高さを強く感じる舞台は、なんとなく好きではありませんでした。

トータル的なところもそうですが、舞台装置的なところにもそういう気持ちがあったのですが、今回の展示を観て、レベルの高い舞台美術を部員の生徒に見せるという事は、大事な事なんだなあと、思いを新たにしました。

コロナが鎮まって、また高校演劇を観に行ける様になったら、舞台美術についてもよく鑑賞したいと思います。

 

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「民俗資料室ギャラリー展示 29 運ぶ 文化とかたち」

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おまけに民俗資料室の収蔵庫も拝見させていただきました。

ここも良かったのですが、「民俗資料室の収蔵庫」の見学が更に良かった。

 

収蔵庫内には授業で学生さんがいたりして、なんか、じゅわっと来ます。

三十数年前の学芸員の実習を思い出しましたー。

 


■武蔵野美術大学について


さて、今回は初の平日のキャンパスでした。

これまでは日曜か、平日だったとしても夏休み期間だったので、普通の平日の美大のキャンパスに大いに関心があったのですが、結構閑散としていました。

少しだけ学生さんと話す機会があったので、まだオンラインなのかと聞いてみましたら、もうそういうことはなくて学生は普通に来ているけど、単に寒いから外に出ていないと思いますとの事でした。

 

やっぱりインドア人間たちなのか??

 

音楽サークルが練習してたりするのだろうかとか思ったりしていたのですが、やはり美大。

エレキギターの音が聞えてきたりはしませんでした。

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ここのキャンパス、せっかく郊外の大学なのだから、もう少し広くてもいいかなと思いますが、もはや今更仕方ないですね。

 

たっぷり2時間半楽しめて、しかも無料。

凄く良かったです。

➡ https://mauml.musabi.ac.jp/

写真はほぼ全域で撮影可だったのですが、SNSに上げまくるのも少し気になったので、アップの写真は外しました。

 

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2021年8月26日 (木)

「ブラチスラバ世界絵本原画展」を観に浦和に行っていろいろ思った事

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先週の日曜日、人生で初めて浦和に行ってまいりました。埼玉県民になって30年余りになるのに、ピュアな冠のない浦和駅には下りたことがなかったのです。


目指すは「うらわ美術館」。

目的は「ブラチスラバ世界絵本原画展」です。

https://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/exhibition/whatson/exhibition/p080828.html

 

もともと絵本が好きな訳ではなかったのですが、去年、ボローニャ展を観に行ってから魅せられてしまいました。


どうして気付いたかはよく覚えていません。SNSで流れてきたような気もするし。。。

面白そうだなと思いつつどうしようか迷っていたら、板橋区立美術館の今年のボローニャ展が一週間前に終わってしまっていることを発見してしまいました。

なんと。ショック。ガーン。

板橋区立美術館のtwitterアカウントはフォローしていたのですが、フォローしているだけだと、むしろ見落とす確率の方が高いと気付きました。

冬に群馬に来る様なのでそちらに行くしかありません。


そういう余儀なき事情もありまして、これも何かの縁だからブラスチラバに行っておこうと。

それに、ブラスチラバってなんか響きが素敵ですよね。

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「ブラチスラバ世界絵本原画展」というのはなにやら有名らしいです。

「・・・ブラチスラバで2年ごとに開催される、世界最大規模の絵本原画コンクール・・」だそうです。


入り口で料金620円を払って中に入ると、まずチェコの作品がいくつかあって、その後がスロバキアの作品、そしてコンクールで賞をとった作品が続きます。

日本から出品された作品も何点かありました。

お客さんはそれなりに入っていましたが密が気になる様な距離感ではありません。スーパーより空いています。

小さい女の子を連れた若いお母さんが作品に見入っていて、女の子は全く関心がなさそうで、お母さんは立ち止まってじっくり見たいのに女の子に引っ張られてじっくり見えないという何とも微笑ましい景色が素敵でした。親子はあっという間にいなくなってしまいました。

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それでは漸くここから感想です。

チェコとスロバキアの作品ですが、なんとなく、東欧っぽいうっすらとした寂寞感と、ほんの微かな旧社会主義陣営的な雰囲気、それから、1960年代のポップアート的な空気感が少しありました。

どれもそれなりによくて、時々、そこそこいいなと思うものもありました。

その後の入賞した作品とか、日本人の作品になって来ると、そういった微かな雰囲気の半分はどこかへ行ってしまいました。


それでですね、どれもいいんですが、去年観た「ボローニャ展」と比べるとなんだか感動量が少ない。

なんでだろうとずっと考えておりました。

その答えはそれから何日かは分からなかったのですが、今日になってやっと分かりました。

なんか、ブラスチラバ展は成熟してる感があるんです。一方ボローニャ展は若々しい。

初めは、去年観たボローニャ展の方が、全般に作品の彩度が高いという事かなと思いました。

そのせいもあるでしょう。

でもはたと気づいたんです。

もしかして、ブラスチラバ展は大人の作品が並んでいて、ボローニャは若い人の作品なのではなかろうかと。

慌ててボローニャ展をググると、「・・世界中の新人イラストレーターたちの登竜門としても知られています・・」などと書いてあるではないですか!

ああ、なるほどそういう事だったのか。

きちんと裏は取っていないですが、なんとなく確信に至りました。


先月、武蔵野美術大学の卒業修了制作優秀作品展に行ってなにやら凄く感動して、もしかして自分は成長過程の前半にいる若い人の作品が好きなのではなかろうかと薄々思い始めていたのです。

だとすると、高校演劇が好きなのもつじつまが合う。


ボローニャ展もそういう事だったのかと、妙に晴れやかな気分になったのでした。


それはそうと、ブラスチラバ展もとてもいいですし、財布にも優しいお値段なのでぜひ行ってみて下さい。8/29までです。


それで私が一番印象に残っているのは、日本人のさかたきよこさんという方の、サイレントアニメーションの作品でした。

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さて、浦和の事にも触れておかなければなりません。

今回は、西口だけ歩いたのですが、なんという「溢れる田舎町感」なんでしょう!

「地方の県庁所在地的な感じ」が沁みだしています。

よくよく考えたら、浦和は「地方の県庁所在地」とも言えますが・・・。

コンパクトで、人の数もちょうどよくて、自転車に乗ってる地元の方の割合もちょうどいい。

時間もゆっくり流れる感じで、実に味のある昭和な本屋さんがあったり、街角で昼間から飲める焼鳥屋さんがあったり。

電車に乗って来ているだろう人たちも、そんなに遠くからは来ていない的な余裕があるというか。

いやー、浦和、機会があれば軽く飲んでみたいと思わずにはいられない所でありました。


ここまで読んでくださる方がいらっしゃるかどうかわかりませんが、長文にお付き合い下さりありがとうございました。

 

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2021年7月22日 (木)

『 令和2年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作 優秀作品展 』を観て凄く感動した件

普段は、ダラダラとして、直ぐにはブログに書かないんですが、素晴らしいものを観てしまい、会期にも限りがあるので、微力ながら世に知らしめないとと書き始めました。

月曜にここに行って来ました。

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武蔵野美術大学。

『 令和2年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作 優秀作品展 』

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語彙が貧困で全く持ってお恥ずかしいのですが、これは良かったです。なんか凄い感動しました。


もちろん展示物そのものも素敵なのですが、美大の学生さんの卒業・修了制作というのが、なんとも言えない感覚をもたらしてくれます。

夢や希望を持って入学して、4年或いは6年経って、しっかりと歩んだ人もそうでない人もいて、大学に残る人も社会に出る人もいて。

『優秀作品展』だから、卒業生平均よりもいい作品を作った方々なんでしょうけど、それでもやっぱり、夢に近づきつつある人と、夢を鞄に仕舞った人がたぶんいて、さらに、この作品展に自分の作品が辿り着かなかった人もいて、そういうのが混ざった感じが伝わって来て、何とも言えない感覚になります。


私は美術はもとよりデザイン工芸にも疎いので、作品の優劣は分からず、いいと感じたかどうかだけになるのですが、凄いいいものもあれば、普通にいいものや、よくわからない前衛的なものあったりするし、凄くいいものでなくても、何かを生み出そうと頑張った余韻が残っていたりして、どの作品も見入ってしまいます。


それで、美術大学という事ですけれども、純粋に美術( ARTとしての美術というか、絵画や彫刻的なもの )はむしろ少なくて、デザイン・工芸の領域のものが多くを占めていたように思います。関心が心の内側というより、社会に向いているといいますか。

さらに、Webサイトであったり、研究成果を本にしたものであったり、パフォーマンスであったり、CGであったりと、Outputの媒体も多様で面白かった。

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展示物は卒業終了制作展からの抜粋・部分展示という事で、全体が見えなくて残念に思うものもありました。

一般の方向けの公開は、7月20〜25日、8月1日、8日という事なので、これは凄い山盛りお勧めしまくります

※入館は無料ですが予約が必要です。↓
https://www.ocans.jp/musabi?fid=IjGCkZ5m


それで、この手の物をみたら、どうしてもマイベストを決めたくなります。

もっとも心に残ったのは、『Seam of skin』という、ポリスチレン樹脂を薄く切って着色して木目のような風合いにした材料で作った家具。

椅子と、幾つかの断片の展示しかなかったのですが、紹介用の動画が素晴らしかった。

自分は、この作品そのものと、この動画のどちらに感動したのか、分からななるくらい素晴らしい動画でした。

家に帰った後、ググってみたら、動画が見つかりました。( もしかしたら展示と音楽は違うかも )

https://jp.idreit.com/diploma/2021/furniture-design/seam-of-skin-by-chiaki-yoshihara


会期中にもう一度行ってみたいと思う様な、作品群でした。

 

 

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2021年6月21日 (月)

悲しいほどお天気

先々週の日曜日、ここに行って来ました。

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武蔵野美術大学の美術館!

行くのは初めてです。

少し前ですが、SNSに内部のおしゃれな写真が流れていたのを見て気になっておりました。

ちょうど、↓の3つの展示をやっていたので(いずれも既に終了)、ちょっと行ってみました。

 オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所

 片山利弘——領域を越える造形の世界 

 膠を旅する——表現をつなぐ文化の源流 

西武国分寺線の鷹の台駅をおりて2分も歩くと玉川上水にでます。

あとは、この、上水沿いの小道をてくてく歩いて行きます。

もうこれはですね、大学までの15分余りの間は『悲しいほどお天気』が脳内で鳴りっぱなしになります。

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学内は散策禁止で、正門から美術館までの間を歩くだけだったのですが、なんか美大っていいですね。

天才的な人と、普通の人より凄いけど天才ではない人がいて、残酷な距離感と、切なさやら情熱とかが混ざり合ってる感じがして。

帰りもずっと『悲しいほどお天気』が流れていて、Amazonでダウンロードしてその後も聞いております。

という事で、結構気に入りました。

次は7月に、

令和2年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作 優秀作品展

となるものがある様なので、ぜひ行ってみよう。

近くによさげな雑貨屋さんがあったけど閉まっていたし。

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『撮影はカメラ付き携帯電話か、コンパクトデジタルカメラに限ります』

なんと、こういう考えがあるんですね。

そんな細かいところまで読まないから、初めの内は一眼でカシャカシャ撮っていました。

そうそう、展示の事を書くのを忘れていました。

どれも良かったです。

我ながら言語化能力の乏しさに泣きたくなります。

でも、どれも良かったんです。

 

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2021年6月 8日 (火)

時間だけ超えて、漱石に会いに行ってきた。『漱石山房記念館』

先日、ここに行って来ました。初訪問です。

早稲田南町にある『新宿区立 漱石山房記念館』

実は漱石好きなんです。

ここは、漱石が晩年の9年間を過ごした場所で、実際に住んだ土地に記念館が建てられていています。

再現された書斎がある他、草稿やら初版本やらが展示されています。

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書斎にはたくさん本が並んでいますが、本物ではなくて、漱石の蔵書(東北大学附属図書館が保有している)に基づいて作成したレプリカとの事です。

草稿やら初版本は幾つか展示されていますが、愛用の品とかがある訳ではなく(長襦袢があったけど)、ここは、実際に漱石が過ごした地理的空間という事で、それに浸るところなのかも知れません。いや、そうに違いない。

そう、時空を超えなくても、時間だけ超えればいいという。

すぐ横にある道草庵のスタッフの方が、『あの水道の蛇口のあたりに書斎があったらしいです』と教えてくださいました。

目を閉じて過去に思いをはせると、漱石の気配を感じられるかもしれません。

記念館を出た後はさっさと帰ったのですが、もっと散策とかすればよかった。

ちなみに、写真は撮ってもいい場所がごく限られています。

入館料は300円でした。

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また、書斎の様子は、神奈川近代文学館から得た情報で再現したそうで、ググっているうちに、神奈川近代文学館に行ってみたくなりました。

なんか、35年くらい前に行ったことがある様な気もするし、それは全然別の所のような気もするし。。。

今度そっちも行ってみよう。

新宿区立 20漱石山房記念館

神奈川近代文学館 夏目漱石デジタルコレクション

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2021年6月 7日 (月)

入間と狭山のプラネタリウム 「懐かしの昭和レトロプラネタリウム」


最近、2か所のプラネタリウムに行ったので、そのことに触れておかねばなりません。

昔からプラネタリウムが好きで、今でもたまに観に行きます。

最新設備みたいなのも好きなのですが、プラネタリウムのだいご味は何と言っても生解説。

最新のものであっても、技術的な点ではまだまだ宇宙にいるような圧倒的な臨場感というのは体感できないし、制作された投影コンテンツだと、どうしたって臨場感に限界があります。

その点、生解説、なかでも、多少アドリブの入ったのはいい。

頑張れば、山に行って満天の星空の下にいるような気持に少しは、なれます。

という事で、4月に『入間市児童センターのプラネタリウム』、5月に『狭山市立中央児童館プラネタリウム』に行って来ました。

 

■入間市児童センターのプラネタリウム
観覧料は大人100円。
観客は私一人でした。
割と家から近いので、子供が小さかった頃は何度か来たことがあるのですが、今回はかなり久しぶりです。

時間の半分は生解説、残りの半分が子供向けのアニメ作品の投影です。

昔は、小惑星を発見されたりしている筋金入りの方が解説をされていて、とても面白かった記憶があります。

その方はもう退職されたと十年くらい前に伺いました。

今回は、少し淡々とした感じはありましたが、バランスの取れた穏やかでやわらかい、いい解説でありました。

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入間市児童センタープラネタリウム

 

■狭山市立中央児童館プラネタリウム
さて、今日書きたいのはこちらです。

前から存在は知っていたのですが、なにやら、埼玉県で一番古いらしいという事を最近知って、行ってみました。

いやいや、ここはかなりレトロでした。

最近のプラネタリウムと違って、座席は全席中央の投影機に向かって配置されています。

そして、高くそびえる投影機。いかにも昔風です。

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映し出されるスライドもまた昭和レトロ感満載。

太古の地球のスライドは、恐竜がいて、火山が噴火して、隕石が落ちてくる様な、昭和の子供図鑑の挿絵そのもの。

そして全編生解説。

ここでもお客は私ひとり。

普段は子供相手の解説をされているところに、オッサンが一人という事で、解説員の方もどうしようかなという感じで、色々教えて頂いたり雑談を挟んだりと、私専用の特別プログラムの様になりました。

機器の操作は全部手動で、しかもボタンと機械の動作が1:1になっているそうで、何をするにもいちいちボタンを押したり、ダイアルを回したりするんだとか。

さらに、一部の機器については、交換用の部品がすでにないとの事。

いやーこれから先も、長く存続して欲しいものです。

観覧料は大人100円。

まさに、『 懐かしの昭和レトロプラネタリウム 』でした。

狭山市立中央児童館プラネタリウム
※一部のページの投影時刻の表記が違っていたりするので、ご確認を。

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2020年1月13日 (月)

国立天文台( 三鷹 )に行ってきました。

土曜日に、三鷹の国立天文台に行ってきました。

ここは、実にとても大変すごく素晴らしいところでありました。

13時過ぎについて、16時半過ぎまで。4D2Uドームシアターも含めて3時間余りいましたが、全然もっと居られますね。

ここが素晴らしいのは、子供のころに買って貰った図鑑に載っていた望遠鏡や建物たちの本物があるということです。

天文台歴史館(大赤道儀室)に入って、65cmの屈折望遠鏡を目の前にしたときは、なんというか、言葉にならない感動がありました。

まさに、天文学者を夢見た40数年前に飽きずに眺めた図鑑の写真の望遠鏡そのものがそこにあったのです。

眺めていると、宇宙とつながっているような感覚になって行くといえば大袈裟ですが、子供のころの憧れが蘇って得も言われぬ感慨にふけりました。

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( 感動の65cm屈折望遠鏡 )

そして、ガイドしてくれるのが、物理学を専攻しているというアルバイトの大学生の方。

いやー、こういう所でアルバイトしてみたかったー。

なんか、自分はかすりもしないというか、かすろうと試みもしなかったそのスタートラインに立ちつつあ青年にこれまた感慨を覚えたのでした。

小さいころ、天文学者を夢見た人なら、楽しめること請け合いです。

天文台の歴史を示したパネルの前で、僕のころは「パロマ天文台が一番だった」というと、未来の宇宙物理学者はピンと来ていませんでした。当たり前ですが・・・。


ちなみに、展示している実物は、全て研究の第一線を退いたものたちです。最新設備はありません。

JAXAと比較して見学者が少ないと、未来の宇宙物理学者が語っていましたが、うなずけます。

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正門で受付すると、見学ガイドとVisiterワッペンを貰えます。

スマホで音声ガイドも聞けます。

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最初に見たのがこちら(↑)。「第一赤道儀室」。

20cmの屈折望遠鏡で太陽黒点を投影して見せてくれます。

今は太陽の活動の低調な時期らしく、しばらく黒点は見えないとのこと。

スタッフの方が太陽黒点について語ってくれます。質問しまくり。

広大な敷地は森のようになっています。見学者が入れるのは一部のエリアのみ。

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( 太陽塔望遠鏡 (↑2枚):建物を外から見るだけ )

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そして大赤道儀室(↑2枚)。内部には65cm屈折望遠鏡があり、望遠鏡に関するパネルや機材展示もあり、天文台歴史館という名前になっています。

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その他、いろんな設備が展示されています。

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( ↑ 天文機器資料館 [ 自動光電子午環 ] )

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( ↑ 6m電波望遠鏡と後方にはゴーチェ子午環室 )

 

そして、4D2Uドームシアターというのが優れモノです。

プラネタリウムのようなものなのですが、視点を地球から宇宙に動かして、銀河の外にでていったりするタイプです。

素晴らしいのは、投影している星々の一つ一つの輝きが、実際の観測データに基づき位置を計算させて表示しているということ。

『Mitaka』というソフトを使っていて、このソフトはフリーで私も以前ダウンロードして観ていたのですが、大きなドームの中で、3Dの眼鏡を掛けて、専門家に生解説して貰うと1万倍くらい感動度合いが違います。

生解説が実に素晴らしいです。

※ちなみに、シアターは第1、2、3土曜と、第2土曜の前日に開催していて要予約です。

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( ↑ シアター見学者にカレンダーが配られました。 )

 

ということで、大感動のひと時でありました。

新年早々素晴らしい体験でした。

50cm望遠鏡での観測会や、天文学者による講演もあるようです。

ぜひ、また行こう。

 

 

 

 

 

 

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